●1951.2.14 MGM
●日本公開1956(MGM配給)
恋愛準決勝戦 キャスト
(役名……俳優名)
- トム・ボウエン……フレッド・アステア
- エレン・ボウエン……ジェーン・パウエル
- ジョン・ブリンデイル卿……ピーター・ローフォード
- アン・アッシュモンド……サラ・チャーチル
- アーヴィング、エドガー……キーナン・ウィン
- エレンのメイド……マーガレット・バート
- ダンサー……ビー・アレン
- ショーの客……ベス・フラワーズ、バリー・ノートン
- 軍人……バート・スティーヴンズ
恋愛準決勝戦 ストーリー
トムとエレンは兄妹の人気ダンスコンビ。エリザベス女王とエジンバラ公の成婚記念のロンドン公演に招かれ、舟でイギリスに渡ることになる。船上で出あったジョンと、エレンは親しくなる。
ロンドンに着き、公演のためのダンサーのテストに立ち会ったトムは、アンと出会い、好意を持つ。
ジョンとエレンは、それぞれのパートナーと結婚することになり、二組は一緒に教会で式を挙げる。
ミュージカル・ナンバー
(★はアステアのナンバー)
- Every Night at Seven★
- Sunday Jumps★
- Open Your Eyes★
- The Happiest Day of My Life★
- How Could You Believe Me When I Said I Love You When You Know I've Been a Liar All My Life?★
- Too Late Now
- You're All the World to Me★
- I Left My Hat In Haiti★
- What a Lovely Day for a Wedding
その他情報
- トムとエレンの兄妹は、アデール&フレッドのアステア姉弟をモデルにして作られた。(ということは、ブリンデイル卿はキャベンディッシュ卿ということになる)
- 本作では、かの有名な「天井ダンス」が見られる
- 「天井ダンス」は、アステア発案によるもの。床から壁へ、壁から天井へとダンスでのぼっていくもの。(つまり、天井で踊るシーンは、蝙蝠みたいに頭が下になっている)無論トリック撮影だが、画像を後から加工しているわけではなく、セットとカメラを回しながら撮っているだけのシンプルなトリック。つまり、アステアの側から見れば、足元が床→壁→天井へと動いていってるわけになる。この技法は、後に「ポルターガイスト」で使用された(目に見えない化け物に、奥さんが壁→天井へと押し上げられていくシーン)
- 本作では、有名な「帽子掛けナンバー」が見られる。長年、ハリウッドで言われていた「アステアは帽子掛けとでも踊れる」とのジョークを実践したもの。ちなみに、アステアがテストした帽子掛けの数は、30本以上。つまり、本番をつとめている帽子掛けは、30数倍のオーディションを勝ち抜いた1本である
- 揺れる船上で滑りながら踊るダンスは、アステアの実体験である、「命がけダンス」(ストップ・フラーティングのために船で渡英したときに、大揺れの船の上でひっくり返りながら踊ったダンスのこと)がアイデアの源になっている
- 当初、フリードはアン役にモイラ・シアラーを考えていたが、アステアの「彼女とどうやればいいんだ?」との発言で断念した(アステア&モイラは、ちょっと見てみたい気もするが)
- 当初、ジューン・アリスンがエレン役でリハーサルに入ったが、ジューンの妊娠がわかり、ジュディ・ガーランドに変更になった。しかし、ジュディは精神不安定で、リハーサルが始まってから一週間後にはまともにスタジオに出てこなくなり、MGMから契約を解除された。ジェーン・パウエルは、三人目のヒロインだったのである
- 撮影がほとんど終わってから、ジェーンが妊娠していることが発覚。ヒロイン女優が二人も妊婦になった映画も珍しいだろう
- 本作から降ろされたジュディ・ガーランドは、その後自宅で自殺未遂事件を起こした
- 本作の監督は、当初はチャールズ・ウォルターズであったが、ヒロインがジューンからジュディに変わった時点で、「ジュディ・ガーランドとは仕事ができない」との理由で、ウォルターズが監督を降板した。彼には、ジュディを使えば大問題が起こることがわかっていたのだろう
- イギリスでの封切り時には、元タイトルが王室への不敬に繋がることが懸念されたため、「ウエディング・ベルズ」のタイトルで公開された
スタッフ
- 製作……アーサー・フリード
- 監督……スタンリー・ドーネン
- 原作・脚本……アラン・ジェイ・ラーナー
- 撮影……ロバート・プランク
- 美術……セドリック・ギボンズ、ジャック・マーチン・スミス
- 音楽……ジョニー・グリーン
- 歌曲……アラン・ジェイ・ラーナー、バートン・レイン
- 振り付け……ニック・キャッスル
- ヘア・スタイリスト……シドニー・ギラロフ
- 録音……ダグラス・シアラー
- フィルム編集……アルバート・アクスト