アステアの出演映画

踊る騎士 A Damsel Distress

更新日:

●1937.11.20 RKO
●日本公開1938(RKO配給)

キャスト  役名…俳優名

(アステアのスタンドイン……ハリー・コーンブレス

ストーリー

ダンサーのジェリーは、貴族の令嬢アリスと恋をする。しかし、アリスの家族は、ダンサー風情との交際は認めてくれない。

アリスの住む城には、伝説があり、「昔、美しい姫を見初めた騎士が、密かに姫の部屋を訪ね、思いを打ち明けた。そこへ、家人がやってきたので、姫の純潔が疑われてはならじと、勇敢な騎士は姫の部屋の窓(めっちゃ高い窓です)から飛び降りて身を隠し、姫の名誉を守った」というもの。城の、令嬢の寝所に男が侵入したのは、この一回きりだという。
ジェリーは、このような伝説があるとは知らずに、アリスの部屋に入ってしまう。
それを、アリスの父に見つけられ、アリスは伝説の前例に習い、ジェリーに「窓から飛んで!」という。ジェリーは、窓の高さに怯みつつもジャンプ! ダンスで鍛えた身のこなしで、なんとか無事に着地。
そこへ、アリスの父が現れ、「令嬢のために窓から飛んだ騎士は、令嬢と結婚した。どうかアリスと結婚して欲しい」と言われ、晴れて二人は結ばれることになる。

ミュージカル・ナンバー (★はアステアのナンバー)

  • I Can't Be Bothered Now★
  • The Jolly Tar and the Milkmaid★
  • Put Me to the Test★
  • Stiff Upper Lip★
  • Sing of Spring
  • Things Are Looking Up★
  • A Foggy Day★
  • Nice Work If You Can Get It★
  • Ah,che a Voi perdoni Iddio

その他情報

  • アステアが、「ジンジャーとセットでない映画も」と、RKOに散々申し入れて作られた映画。(アステアは、常に「誰かと一緒に売れる」のがイヤだった)しかし、大衆の「アステア&ロジャース」人気はあまりにも強く、RKOは、「踊る騎士」の次回はジンジャーが戻ってくることを公表しての封切りだった
  • ジョージ・バーンズは、「フレッド・アステアの前で踊れるか不安だった」と語っている。ちなみに、本作のバーンズのギャラは6万ドル
  • グレイシー・アレンも、アステアと踊ることに怯えあがってしまい、アステアは彼女の前で、わざと転んで場を和ませたと伝えられる
  • 撮影中、ジョーンは、踊りもこなせず、現場で泣き、アステアはフォンテインをはずすように監督に進言した。(結局、監督ははずさなかったが)後年、ジョーンのダンスは、「帽子掛け以下」と皮肉られた(※帽子掛けとは、もちろん「恋愛準決勝戦」の帽子掛けである)
  • 本作の撮影中から、ジョージ・ガーシュインの脳腫瘍の前兆が現れていた
  • 本作では、アステア映画唯一の「ラン・アラウンド」が見られる
  • 本作で、最初にアステアのパートナーの候補に挙がったのはアデール・アステア(アステアの姉)だった。アステアの反対で実現しなかったが、もしも実現していたら、ミュージカル映画史上の大注目作であったろう。アデール・アステアは、映画は一作も撮っていないし、アデール&フレッドの、現存するフイルムもごく僅かなのである
  • ヒロインは、ルビー・キーラー、キャロル・ロンバード、ジャシー・マシューズにオファーを出したが、いずれも契約成立せずに、フォンテーンに決まった
  • 本作で、ジンジャーがはずれたため、以前からあった「アステア=ロジャース不仲説」があおられることになった
  • 本作公開の後、アステアは、一瞬「引退」を考えたと、自伝で語っている
  • 1937年第10回アカデミー賞:ダンス監督賞ノミネート、室内装飾賞ノミネート

スタッフ

製作……パンドロ・S・バーマン
監督……ジョージ・スティーヴンス
原作……P・G・ウッドハウスアーネスト・パガーノS・K・ローレン
脚色……P・G・ウッドハウス
撮影……ジョゼフ・オーガスト
美術……キャロル・クラーク
音楽……ヴィクター・バラヴォール
歌曲……ジョージ・ガーシュイン、アイラ・ガーシュイン
振り付け……ハーミズ・パン


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