●1974.6.15 MGM
●日本公開1975(富士映画配給)
キャストというか……
本作は、MGMミュージカルの名場面集につき、いわゆる「キャスト」と言うべきものは無い。が、登場する主な役者たちを、ざっと挙げてみる。
フレッド・アステア、ジーン・ケリー、フランク・シナトラ、エレノア・パウエル、エリザベス・テイラー、ピーター・ローフォード、ジューン・アリスン、ジェームズ・スチュワート、クラーク・ゲーブル、ミッキー・ルーニー、ジュディ・ガーランド、ドナルド・オコナー、エスター・ウィリアムズ、ライザ・ミネリ、ビング・クロスビー、アン・ミラー、ボブ・フォッシーetc
内容は……
MGMにゆかりの深いスターが現れて、MGMミュージカルの様々な名場面を紹介していく、ミュージカル映画の良いとこセレクションみたいな作品。
「既製の作品を切り貼りして1本でっち上げやがって」
という人もいるが、見れば、「上質なミュージカルを作らせたら世界一だ」という、MGMの誇りを目の当たりにさせられる良い映画である。
ジーン・ケリーが、アステアを、アステアをジーン・ケリーが紹介するところなど、にくい構成である。(特に、ジーンが、「僕の最良のパートナーを、こっそりここだけで教えましょう」というニュアンスがよろしい!)
その他情報
- アステアは、「バンド・ワゴン」で彼が歩いた駅のホームを歩いて登場する。おじいさんにはなっているが、軽快なアステア・ウォークは、少しも変わらない。
- アステア映画ばかり見ていると、アステア・ファンは幸せな錯覚を起こし、アステアの神業を「標準」と感じるようになってしまうものである。しかし、本作のように、多くのダンサーの中にアステアを見ると、彼がどれだけ普通でないか、改めて確認することができる。
- 本作は、全世界で75億円ほどの興行収入を記録した。
- 本作をきっかけに、世界各国でアステア・ロジャース映画がリバイバルされた
- 本作のヒットの影響で、タップダンス人口が増えたと言われている
- 私は、本作で、エレノアと「ビギン・ザ・ビギン」を踊りまくるアステアを見て、完全に彼の虜になってしまった。フレッド、好きだ!
スタッフ
製作・構成・監督……ジャック・ヘイリー・ジュニア
製作総指揮……ダニエル・メルニック
音楽……ヘンリー・マンシーニ
撮影……エンニオ・グァルニエリ、ラッセル・メティほか