アステアの出演映画

ブルー・スカイ Blue Skies

更新日:

●1946.9.26 パラマウント
●日本公開1955(パラマウント配給)

キャスト

ジェド・ポッター……フレッド・アステア
ジョニー……ビング・クロスビー
メアリー・オハラ……ジョーン・コールフィールド
ニタ・ノヴァ……オルガ・サン・ファン
トニー……ビリー・デ・ウルフ
マック……フランク・フェイレン
マーサ……ヴィクトリア・ホーン
ショーガール……マーガレット・フィールド
ナイトクラブの客……サム・ハリス

ストーリー

ブロードウェイの花形ダンサー、ジェドは、踊り子のメアリーに、密かにほれていた。
ある夜、ジェドはメアリーを友人ジョニーの経営するナイトクラブに誘い、
「次のダンスの相手役になってほしい」
と言う。

旅公演の先約があったメアリーは、一旦は相手役を断ったが、ジェドに紹介されたジョニーに一目ぼれして、NYに残りたいがために、相手役をOKする。そして、ジェドとメアリーのショーは大当たり。メアリーは、一躍スターとなる。

メアリーは、ジョニーに秘めた愛を告白し、二人は結婚。
しかし、ジョニーは、「真面目に商売する」とメアリーに約束したのに、何度も店の経営を中途半端にしては手放してしまう。
愛想をつかしたメアリーは、子供をつれてジョニーと別れ、舞台に復帰して、ジェドと結婚を約束する。

ジェドとメアリーの婚約のニュースが流れると、ジョニーは姿を消す。それを知ったメアリーが悲しむのを見て、ジェドはメアリーの心が、ジョニーを愛し続けていることを知る。

婚約を解消し、自棄になったジェドは、酒におぼれるようになり、ダンス中に高所から落下し、足を骨折。舞台に立つことができなくなる。

ジェドは、やがてラジオの人気アナウンサーとなり、以上の物語をラジオの生放送で話す。
放送を聴いて、スタジオに駆けつけたジョニーとメアリーが再会。ジェドは、愛し合う二人を祝福する。

ミュージカル・ナンバー  (★はアステアのナンバー)

A Pretty Girl Is Like a Melody★
I've Got My Captain Working for Me Now
You'd Be Surorised
All By Myself
Serenade to an Old Fashioned Girl
Puttin' On the Ritz★
I'll See You in CUBA
A Couple of Song and Dance Men★
You Keep Coming Back Like a Song
Always
Blue Skies
The Little Things In life
Russian Lullaby
Everybody Step
How Deep Is the Ocean
Getting Nowhere
Heat Wave★
Any Bonds Today?
This Is the Army,Mr.Jones
White Christmas
Tell Me Little Gypsy
Nobody Knouws
Mandy
Some Sunny Day
When You Walked Out
Because I Love You
How Many Times?
Lazy
The Song Is Ended

その他情報

  • 本作で、アステアは引退すると表明したため、「フレッド・アステアのラスト・ダンス」として、世界的な宣伝活動が行われた。
  • 本作の主演はあくまでもビング。そのため、当然だが、ビングのほうが丁寧に撮られている
  • ジェドの役は、別の俳優がキャスティングされていたが、当初監督だったサンドリッチ(急死したため監督が交代した)が「キャストをアステアに変更したい」との意向を持っており、それが尊重されてアステアにオファーされた
  • アステアは、「ヨランダと泥棒」「ジーグフェルド・フォーリーズ」と、興行上の失敗が続いたため、ダンサー稼業を引退する潮時だと考えた。ただし、失敗作続きのまま引退することはプライドが許さず、大成功で引退したいと考えた。フレッドは、「クラーク・ゲーブルジョーン・クロフォードの映画でデビューし、ビング・クロスビーの映画で最後の花道を飾るのもいいだろう」と考えたと、自伝の中で語っている。
  • アステアが引退を考えた理由には、「45歳にもなり、体力的に限界だろう」との思いも大きかった
  • アステアは、A Couple of Song and Dance Menの撮影が特に楽しかったと語っている
  • 「Puttin' On the Ritz」のアステアのダンスは、「アステアのベストダンス」に選ぶ人も多い、名作中の名作。中央に、ソロでメインダンスを踊るアステアの後ろに、8人のアステアが並んでバックをつとめる合成映像である。一回踊ったフィルムから、8人分の映像を作ればいいものを、フレッドは「コピーなど論外」と主張して、ちゃんと8回分踊って撮影した。「コピーいやだ」と言って撮ったわりに、アステアがあまりにも完璧に「同じダンス」を踊るので、出来上がった映像は、普通の人になら「コピーだな」と見える。もしも、このダンスを未見の方は、一刻も早くご覧になることをおすすめします。「ミュージカル映画史上最強のダンスチーム」のダンスですよ!
  • 「Puttin' On the Ritz」では、「アステアの手から離れたステッキが、ひとりでに手に帰ってくる」場面がある。ステッキが自分の意思でアステアの手に飛んでくるわけはないので、長年どんなトリックなのだろうと思っていたら、単純に床に仕掛けがあって、ステッキをはじき返しているだけだとある筋から教えてもらった。(ある筋の言うことが、本当かどうかは保障しません)
  • 「Puttin' On the Ritz」は、本作の中のアステアのダンスとしては最大の見せ場だと思うが、ストーリーのかなり早い段階で出てきてしまう。アステア主演の作品だったら、もっと後半にするんじゃないかなあと思う
  • ジェドが橋の上から落下する「Heat Wave」は、スピードと力強さのある良いダンスである。私は大好きなのだが、落下するとわかっているので(本当に落下してるわけじゃないのはよくわかっているのに)、途中から落ち着いて見られなくなってしまう
  • アステアは、本作のラストテイクを撮り終わった後、鬘をステージに投げつけて踏み、「もう、二度と被らない!」と叫んだ
  • アステアの引退表明に、世間は驚き、「やめないで欲しい」との手紙が殺到した。その手紙の中には、「あなたは少なくとも75歳まではダンスを踊り続ける運命にある」と書かれたものがあり(スピリチュアル系の人から来た?)この「予言」はのちに「ほぼ的中」することになる

スタッフ

製作……ソル・C・シーゲル
監督……スチュアート・ヘイスラー
原案・歌曲……アーヴィング・バーリン
脚本……アーサー・シークマン
脚色……アラン・スコット
撮影……チャールズ・ラング・ジュニアウィリアム・スナイダー
音楽……ロバート・E・ドーラン
振り付け……ハーミズ・パン、デイヴィッド・ロヴェル
特殊効果……ファーシオット・エドアート
録音……ユーゴー・グレンツバック
美術……ハル・ペレイラ
衣装デザイン……イディス・ヘッド
メイク……ウォーリー・ウェストモア

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