●1936.2.19 RKO
●日本公開1936(RKO配給)
キャスト 役名…俳優名
ベイク・ベーカー……フレッド・アステア
シェリー……ジンジャー・ロジャース
ビルジ・スミス……ランドルフ・スコット
コニー……ハリエット・ヒリアード
マニング夫人……アストリッド・オールウィン
ヒッキー船長……ハリー・ベレスフォード
ノーラン……ラッセル・ヒックス
サリヴァン……ブルックス・ベネディクト
ウィリアムズ中尉……アディスン・ランドール
キティ・コリンズ……ルシル・ボール
水兵……トニー・マーティン
シンガー……ベティ・グレイブル
「パラダイス」のホールレディ……マクシーン・ジェニングス
ストーリー
水兵のベイクは、元ダンサー。
寄港した港の店で歌っている元ダンスパートナーのシェリーに再会する。ベイクは、以前シェリーに振られ、そのためにコンビを解消していた。
再会したシェリーは、「プロポーズを断って後悔している」といい、二人は再接近。
同じ晩、シェリーの店に、シェリーの姉のコニーが訪ねて来る。コニーは、ベイクたちと一緒に店に来ていた水兵のビルジに好意を持ち、二人で店を抜け出して、シェリーの家で二人だけの時間を過ごす。
海と舟が好きな二人(コニーの父は船長だった)は、意気投合。ビルジは美しいコニーにひかれるが、コニーが恋の先の「結婚」に言及したため、さめた気持ちになる。
ビルジは、帰り際、シェリーを訪ねてきたマニング夫人の車で送ってもらい、マニング夫人とも意気投合する。
一方ベイクは、シェリーならもっと良い舞台に出る才能があると考え、店をやめさせてしまい、自分が良い仕事に推薦すると約束するが、艦隊が急に出航することになり、シェリーとの約束を果たせなくなってしまう。そのために、シェリーは激怒。
数ヵ月後、再度入港した機会に、ベイクは汚名挽回しようとするが、シェリーとコニーの姉妹は、お金に困っていた。
コニーが、ビルジのためにと思い、父親の所有していた船を引き上げたため、莫大なお金がかかり、古い友人にも損をさせていた。
艦隊が入港しても、ビルジはコニーに会いに来ず、マニング夫人を訪ねていることを知り、コニーは自棄になっている。
自分が踊ればお金なんかすぐ稼げる、と宣言したベイクは、シェリー、シェリーの元同僚達、海兵の仲間の協力を受け、艦隊から抜け出してレビューを決行。
コニーの純情に心を動かされたビルジは、コニーを選び、シェリーもベイクにプロポーズする。
ミュージカル・ナンバー (★はアステアのナンバー)
We Saw the sea★
Let Yourself Go★
Get Thee Behind Me,Satan
I'd Rather Lead a Band★
But Where Are You?
I'm Putting All My Eggs in One Basket★
Let's Face the Music and Dance★
その他情報
- アステアのホワイトタイ姿の作品が続きすぎたため、大衆の共感が薄まるのではないかとの懸念から、本作ではアステアはセイラー服で登場することになった(セイラー服のアステアは面白いし、カッコイイが、ぜんっぜん水兵には見えない)
- アステアは、「艦隊を追って」の撮影中に、ラジオの番組のMCも引き受けており、休む暇がなく、おそろしく大変だったらしい
- 本作では、端役時代のルシル・ボールが見られる
- ハリエットの歌う「Get Thee Behind Me,Satan」は、もともとは「トップ・ハット」でジャンジャーが歌うはずだった。(ハリエットの歌を聴いてしまったからかもしれないが、ハリエットが歌って正解だったんじゃないかという気がする)
- Let's Face the Music and Danceの、ジンジャーの衣裳は、ビーズがびっしり付いて、非常に重いものだった。踊ると、衣裳の袖が振り回され、アステアの顔に当たり、1テイク目は痛さにぼーっとなりながら踊り終えた。その後、何テイク撮っても、凶器(=袖)を避けながらのダンスになるためにうまくいかなかった。翌日フィルムを見たら、アステアがぼーっとしてしまった1テイク目が、絵としては「完璧」であり、編集では1テイク目が使用された
- 本作では、アステアがランディ・スコットを殴りつけるシーンがあるが、演技でも実生活でも殴り合いの経験が薄いアステアは、殴り方が様になっていない。しかも、加減ができず、本当に出血するほどスコットを殴ってしまったそうな(ジェントルマンのスコットは怒らなかったそうだ)
- 本作には、アニタレのお猿さんが登場する。水兵服を着て、ジンジャーに花束を届けに行ったりする芸達者ぶりから、ベテランのアニタレさんとお見受けする。あのお猿さんの種類と、お名前(あの方のご本名)を調べようとしたが、どうしても見つからない。ご存知の方は教えてください
- 本作のために、バーリンが書いた曲、「Moonlight Maneuvers」と「With a Smile on My Face」は未使用に終わった
- 日本封切り時に使用された惹句=「港の町には、赤い灯と、青い酒と、可愛い彼女が待っている。さあ唄だ、踊りだ、夜ひらく酒場の恋の花だ」
スタッフ
製作……パンドロ・S・バーマン
監督……マーク・サンドリッチ
助監督……アーガイル・ネルソン
原作……ヒューバート・オズボーン
原案……ドワイト・テイラー
脚色……ドワイト・テイラー、アラン・スコット
撮影……デイヴィッド・アベル
特殊撮影……ヴァーノン・ウォーカー
美術……ヴァン・ネスト・ポルグラス、キャロル・クラーク
音楽監督……マックス・スタイナー
歌曲……アーヴィング・バーリン
振り付け……ハーミズ・パン
衣裳デザイン……バーナード・ニューマン
メイク……メル・バーンズ
サウンド編集……ジョージ・マーシュ
録音係……ヒュー・マクダウェルJr
フイルム編集……ヘンリー・バーマン
スチール……ジョン・ミール