●1935.9.6 RKO
●日本公開1936(RKO配給)
トップ・ハットのキャスト
(役名……俳優名)
- ジェリー・トラバース……フレッド・アステア
- デイル……ジンジャー・ロジャース
- ホレース・ハードウィック……エドワード・E・ホートン
- マッジ・ハードウィック……ヘレン・ブロデリック
- アルベルト・ベディーニ……エリック・ローズ
- ベイツ……エリック・ブロア
- 花屋……ルシル・ボール
- サッカレー・クラブのウェイター……トム・リケッツ
- エレベーターの乗客……デニス・オキーフ
- ロンドンのホテルクラーク……ロバート・アデア
- ベニスのホテル支配人……ジーノ・コラード
ストーリー
ブロードウエィのスター、ジェリーは、ロンドン公演のためにイギリスに滞在中、同じホテルに滞在しているデイルに一目ぼれ。部屋の中でタップダンスを踊りまくっていたアステアの騒音に、デイルが苦情を言いに来たのがきっかけ。
言い寄ってくる騒音男に、デイルはつれない態度だが、乗馬公演でジェリーと一緒に踊り、好意を抱くようになる。
しかし、ひょんなことから、デイルはジェリーのことを自分の友人マッジの夫だと勘違いし、ジェリーの浮気の相手にされるところだったと思い込む。
実は、マッジ(マッジの夫はホレース)は、ジェリーにデイルを紹介しようとしていたのだが、デイルは完全に勘違いしているので、応じようとせず、以前から結婚を申し込まれていたアルベルトと結婚しようとする。
結婚した(実は成立していない)二人のもとに、ジェリーは乗り込み、誤解を解いて、デイルと結ばれる。
ミュージカル・ナンバー
(★はアステアのナンバー)
- No Strings★(作詞作曲:アーヴィング・バーリン)
- Isn't This a Lovely Day?★
- Top Hat,White Tie and Tails★
- Cheek to Cheek★
- The Piccolino★
その他情報
- 登場シーンの「クラブ・サッカレー」から、ホテルで眠るまでの間、アステアの胸についているカーネーションの色が、多分ピンクだと思われる。(白黒なので、推測だけど)大抵は「白カーネ」を使うので、ちょっと珍しい
- 運河は、もちろんロケではなく、セットの中に作られたもの。水を黒く染めているそうだが、底が見えないようにするためかな?
- お決まりのラブストーリーすぎる本作の台本に、アステアは少なくとも一回練り直しを要求している
- 本作の、ジンジャーのソロの楽曲として、「Get Thee Behind Me,Satan」が用意されたが、使用されず、後に「艦隊を追って」でハリエット・ヒリアードの曲として使用された
- Cheek to Cheekのダンス中、ジンジャーの衣裳に使用されたオストリッチのフェザーが、前が見えなくなるほど飛び散り、撮影が中断。(アステアいわく、「鶏がコヨーテに襲われたみたいだった」)アステアはぶち切れ、ジンジャーは泣き出し、現場の空気は最悪になった。衣裳係は、羽の一つ一つを縫い付けるさせられるはめになった。この一件以降、アステアはダンスパートナーの衣裳を、事前にチェックするようになった
- 「羽事件」は、「トップハットの現場でブリザードが起こっている」との噂を呼び、撮影所中から野次馬が見に来た
- 最悪な「羽事件」にも関わらず、出来上がったCheek to Cheekのできばえは素晴らしく、アステア&ロジャースコンビのダンスの中でも、最高クラスの人気を誇る
- 「羽事件」のあと、アステアと振り付けのハーミズ・パンは、Cheek to Cheekの替え歌で「フェザー、フェザー」と歌ってジンジャーをからかったらしい
- 「羽事件」の後、アステアはしばらくジンジャーを「ジンジャー・フェザーズ」と呼んでいたらしい
- 製作経費:62万ドル
- 全米の興行収入:300万ドル超
- 本作の、バーリンのギャラ:10万ドル
- 1935年第8回アカデミー賞:作品賞ノミネート、主題歌賞ノミネート、美術賞ノミネート、ダンス監督賞ノミネート
スタッフ
- 製作……パンドロ・S・バーマン
- 監督……マーク・サンドリッチ
- 助監督……アーガイル・ネルソン
- 原案……ドワイト・テイラー
- 脚本……ドワイト・テイラー、アラン・スコット
- 撮影……デイヴィッド・アベル
- 特殊撮影……ヴァーノン・ウォーカー
- 美術……ヴァン・ネスト・ポルグラス、キャロル・クラーク
- 音楽監督……マックス・スタイナー
- 歌曲……アーヴィング・バーリン
- 振り付け……ハーミズ・パン
- 衣裳デザイン……バーナード・ニューマン
- メイク……メル・バーンズ
- サウンド編集……ジョージ・マーシュ
- 録音係……ヒュー・マクダウェルJr、エディ・ハーマン、クレム・ポートマン、ジョン・E・トリビイ
- 音響オペレーター……リチャード・ヴァン・ヘッセン
- スチール……ジョン・ミール