●1933.12.2 MGM
●日本公開1934(MGM配給)
キャスト 役名…俳優名
- フレッド・アステア……フレッド・アステア(自役自演なので)
- ジェニー・バーロウ……ジョーン・クロフォード
- パッチ・ギャラガー……クラーク・ゲーブル
- トッド・ニュートン……フランチョット・トーン
- ニュートン夫人……メイ・ロブソン
- ロゼット・ヘンリエッタ・ラルー……ウィニー・ライトナー
- ワード・キング……ロバート・ベンチリー
- スティーブ……テッド・ヒーリー
- ヴィヴィアン・ワーナー……グローリア・フォーイ
- シンガー……ネルソン・エディ
- コーラス・ガール……リン・バリ
ストーリー
ダンスのすぐれた才能を持ちながら、イマイチ花開かないジェニーは、きわどすぎる衣裳で踊る舞台に出て、警察に検挙されてしまう。職をなくしたジェニーを、金持ちのトッド・ニュートンが援助しようと申し出る。
しかしトッドの本心は、ダンサーとしてのジェニーを援助したいのではなく、美しい彼女を自分のものにすることだった。
トッドに、「ブロードウエイになど立てまい」と言われたジェニーは発奮し、有名監督パッチの作品に出演するチャンスをつかむ。
才能と根性で、ジョニーはスターの座に上り、一流ダンサーのアステアと共演できるまでになり、パッチの愛も手に入れる。
ミュージカル・ナンバー (★はアステアのナンバー)
- Hey,Young Fella
- Hold Your Man
- My Dancing Lady
- Heigh-Ho,the Gang's All Here★
- Let's Go Bavarian★
- That's the Rhythm of the Day
その他情報
- アステアの出演は、本人役。要するに、「本物のブロードウエイの大物が、いろどりにちょいと顔を出してます」という程度。「ルーチンは覚えてるね?」というせりふ以外は、ダンスのみの出演
- 顔みせだけの出演だとわかっていても、「なんか出方が唐突だな~」と感じないでもない
- アステアは、「ダンシング・レディ」の製作に入る前に、すでにRKOと専属の契約を交わしていた。そのため、MGM映画への出演は、「一作だけ貸し出された」状態だった
- クロフォード、ゲーブルらの大スターとの共演に、アステアは喜んだらしい
- NYで、コーラスガール時代に「ブロードウェーのアステア」を見ていたジョーン・クロフォードも喜んだらしい
- (私見です)クロフォードのダンスは、「うまいもんじゃないなあ」と思う。彼女の顔の美しさは、本作の出演女優の中で群を抜いていると思うが、彼女のダンスは「この娘が突出している」と思わせてくれなかった。このことは、作品の説得力に関係してくるので、もっと撮り方があったのではないかと思えてならない
- クロフォードは、本作で共演したフランチョット・トーンと、1935年に結婚したが、1939年には離婚した
- クロフォードは、本作で共演したゲーブルとも恋愛関係にあったことで有名。ゲーブルとは、他にも共演作が多数あり、恋愛関係を解消してからも友情を保ち続け、互いに深く理解していたという
- クロフォードと、ゲーブルが恋愛関係にあった時期は、どう考えても、トーンとクロフォードが結婚していた時期とかぶっている
- 「ダンシング・レディ」のラッシュを見たアステアは、自身を「重々しい踊り、ナイフみたいな顔」と評した
- 「ダンシング・レディ」撮影に入ったアステアは、東部からハリウッドに移ってきたばかりで、勝手がよくわからず、映画の現場の慣習も知らず、MGM広報のジェリー・アッシャー(気配りの人だったらしい)を頼りにしていたという
- ダンスを「撮影すること」は初めてだったアステアは、基本的に現場での指示どおりに踊った、と語っている(アステア自伝「Steps in Time」より)
- 映画初出演から、アステアのダンスは合成を使ったもの。後年の遊び心あふれるトリック撮影の道はここから始まっていたともいえる
- 「魔法の絨毯」が斜めに飛び立つところ、驚きませんでした?(私は、下からせり上がっているのだと思い込んでいたので、すごく素直に度肝を抜かれてしまったが、よく見たら吊り下げだった……)
スタッフ
製作……デイヴィッド・O・セルズニック
監督……ロバート・Z・レオナード
原作……ジェームズ・ワーナー・ベラ
脚色……アレン・リヴキン、P・J・ウルフソン、ロバート・ベンチリー
撮影……オリバー・T・マーシュ
美術……エドウィン・B・ウィリス
特殊効果……スラヴコ・ヴォルカピッチ
音楽……ルイス・シルヴァーズ
ソングライター……ハロルド・アダムソン、ドロシー・フィールズ、ロレンツ・ハート、アーサー・フリード、バートン・レイン、ジミー・マクフュー、リチャード・ロジャース、ナシオ・ハーブ・ブラウン
振り付け……サミー・リー、エディー・プリンツ
録音……ダグラス・シアラー