●1962.6.26 フレッド・コールマー=リチャード・クワイン・プロ
●日本公開1963 コロムビア
キャスト 役名…俳優名
フランクリン・アンプラスター……フレッド・アステア
カーリー・ハードウィック……キム・ノヴァク
ウィリアム・グリドリイ……ジャック・レモン
オリファント警部……ライオネル・ジェフリーズ
ブラウン夫人……フィリッパ・ビヴァンス
ダンヒル夫人……エステル・ウィンウッド
法廷の傍聴人……ベス・フラワーズ、サム・ハリス
ストーリー
アメリカ大使館の職員、ビル(ウィリアム)が間借りすることになったハードウィック家の女主人カーリーは超美人。亭主の姿が見当たらないこともあり、ビルはカーリーを好きになってしまう。
ビルが間借りする前から、ハードウィック家には、
「カーリーが、ご主人を殺したのではないか」
との噂があった。(銃声が聞かれ、男の死体らしきものを見た人がいる)
部下が、「噂の家」に入居したことを知り、大使アンプラスターはスコットランド・ヤードに相談。ビルに、怪しい状況を調べさせることにする。
ある夜、カーリーの部屋で銃声が。そこには、「殺された」と噂の亭主が倒れていた。カーリーは「事故」と主張。
ことの発端は、カーリーの亭主が、宝石を盗んだことに始まる。
その宝石を取り返しに来た男を、亭主が殺害し、そのまま死体とともに行方をくらませていた。
しかし、宝石を取りに亭主が戻ってきて(正確には、宝石を預けた質札を取りに戻ってきて)、カーリーと争いになり、銃が暴発して亭主は死んだ、とカーリーは証言。向かいの家のブラウン夫人が目撃していて、カーリーの主張が認められる。
しかし、ブラウン夫人はカーリーに質札を要求。ブラウン夫人も、宝石に目がくらんで自分のものにしようとしているのだ。
ブラウン夫人は、質屋を殺して宝石を奪って逃走。それをカーリーとビルは追跡し、ブラウン夫人を捕まえて宝石を取り戻す。
その他情報
- アステアの、ダンスなし映画第三弾(キムとのちょっとしたダンスくらい入れられるストーリーだったと思う。サービスしてくれてもいいのに……)
- BGMに「A Foggy Day」が使用されている。(「踊る騎士」参照)結構多用されていて、アステアファンであればあるほど、なんとなく脳内の印象が混乱する
- 本作のキム・ノヴァクの衣装は、キム自身のデザインらしい
- アステアの部屋に、アステアのイラストみたいな額が飾ってある。あれが欲しい
- アステアが、酒場でダーツをするシーンがあるが、アステアのダーツの腕前がわかるような撮り方がされていない。あんまし、ダーツは得意ではないのかもしれない(本気でやったら、きっと上手いと思うが)
- 終盤、宝石を自分のものにしようとするブラウン夫人とカーリーが素手でつかみ合うシーンでは、ブラウン夫人(ぽっちゃりなおばちゃん)がカーリーを一本背負いするのが衝撃的
- 一本背負いされても、何度も何度も向かっていくカーリーを、ぽっちゃりブラウン夫人は両手を広げて受け止めては突き飛ばす。日本人なら、「ぶつかり稽古」という言葉が浮かんでくるシーンである
- 映画としては成功しなかったが、撮影現場は非常に楽しかったらしい
スタッフ
製作……フレッド・コールマー
監督……リチャード・クワイン
原作……マージェリー・シャープ
脚本……ラリー・ゲルバート、ブレイク・エドワーズ
撮影……アーサー・アーリング
音楽……ジョージ・ダニング
美術……ケーリー・オデール
編集……チャールズ・ネルソン
※本作の、ビデオ、DVDは日本では発売されていません(2020年現在)。