エレノアの音の謎?

私は、「踊るニューヨーク」は、作品を見る前にサントラを買っており、大体のストーリーさえ知らないままに、楽曲をものすごく詳しく覚えてしまった(通勤電車の中で、毎日聞いていたので)。

サントラに収録されている音には、タップサウンドも入っている。
私は、どの曲で誰が踊っているのか知らずに聞いたわけだが、不思議と毎日聞いているうちに、
「これがエレノア、これがフレッド」
と言う風に、何となく音が色分けされるのである。もちろん、私はそれが正しいと思っていたわけではなく、
「私的には、なんとなくそんな感じ」
な程度の色分けだったのである。

しかし、後年作品を見たら、私の色分けはほぼ正解だった。で、なぜこのように色分けできたのか、私には未だに分からないのである。
「I Am the Captain」などは、単純に「女の人の歌声だから、エレノアのナンバーだ」と勝手に思い込んだことが考えられる。
あとは、やはり男の足音と、女の足音の違いで聞き分けたのかな、という気がする。毎日聞いていて、音の重さを聞き分けたのではないだろうか。女の靴のヒールの小ささなんかも、もしかしたら聞き分けたのかもしれない。
……と、書いているのも、すべて適当な推測である。素人に、そこまでの音を聞き分け得るものかどうかも、私は知らない。

今、もう一つ思いついたが、もしやアステアとエレノアの使っているタップチップが違うために、僅かながら音が違う、という可能性はどうだろうか。
タップチップというのは、タップシューズの底に打ち付けてある、タップ音を出すための金具である。
(私は、自分でタップを踊ろうと思ったことはない。しかし、「タップの音の構造を知りたい」という思いから、およその仕組みは本を見て知っている。また、全くの興味本位で渋谷のチャコットなどにノコノコ出かけて行き、タップチップの現物も見て、木製のものがあるのを知って驚いたりしたこともある。素人に、一番分かりやすいタップの文を書いてくれたのは佐々木隆子先生だった。実は佐々木先生のタップは好きじゃなかったのだが、「アステアと比べて」なので許してください)
で、その金具だが、アステアの使っているタップチップのメーカーが分からないものかと思い、家中の資料を探してみたら、Fred Astaire: His Friends Talkという本の中に、アステアのタップシューズのアップの写真があって、タップチップのところに
「Maney」
と刻印されているのがあった。
「Maney」というのが、メーカー名かどうかは不明である。そして、エレノアのタップチップのメーカーなど更に分からないので、「メーカー別の音を聞き分けた」かどうかももっと不明である。

多分、「男の重い音」と、「女の軽い音」を聞き分けた可能性が一番高いのだろうと思う。
……でもそうだとすれば……アステア&ロジャース映画では、ジンジャーの音はほとんどハーミズ・パンが入れているそうだが、専門家が聞いたら分かってしまうのではないだろうか。

※コメントをいただいておりましたが、記事が落ちてしまうので、非表示とさせていただきました。

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