●1937.4.30 RKO
●日本公開1937(RKO配給)
キャスト 役名…俳優名
ペトロフ(ピーター・P・ピータース)……フレッド・アステア
リンダ・キーン……ジンジャー・ロジャース
ジェフリー・バイルド……エドワード・E・ホートン
セシル……エリック・ブロア
アーサー・ミラー……ジェローム・コーワン
デニス・ターリントン……ケッティ・ガリアン
ジム・モンゴメリー……ウィリアム・ブリスベーン
ハリエット・ホクター……ハリエット・ホクター(本人役)
ニュージャージーの治安判事……ウィリアム・ブレス
フィッツジェラルド夫人……アン・シューメイカー
トム・ベントリー……ピエール・ワトキン
舟のバーテンダー……チャーリー・ホール
船客……サム・ハリス
ホテル・クラーク……ジャック・ライス
セントラルパークの警官……チャールズ・コールマン
ストーリー
ピーターは、有名バレエ家。興行上、ロシア人だとしていて、ペトロフと名乗っているが、本当はアメリカ人。パリで、同じアメリカ人のレヴュー・スター、リンダに一目ぼれする。
アメリカに向かう同じ舟でリンダと乗り合わせたピーターは、彼女に接近。やっとリンダも打ち解けてくるが、マスコミに「ペトロフ結婚!」の記事が出たのを見て、ピーターを避けるようになる。
「結婚!」の記事は、ガセネタだと説明しようとしても、リンダは聞かず、前から求婚されていた別の男と結婚しようとする。
マスコミの、「ペトロフ結婚」の記事は、どんどん事実と違う方向に憶測が進み、いつの間にかリンダと結婚するらしいとの記事になる。
でっち上げの証拠写真なども載せられ、二人の周囲の人間にさえ、「本当は誰と誰が結婚するのか」が分からない有様になる。
ピーターとリンダは、
「あまりにも状況がわけ分からない。いっそ、マスコミが書いているように、本当に二人で結婚して、すぐに離婚するっていうのはどうか」
という、スゴイ解決策を実行に移す。
かくして、正式な結婚(でも偽装なんだけど)をし、後に離婚しようとするリンダへの思いをこめて、ピーターはレヴューの女性ダンサーたちにリンダの仮面を被せて踊る。
ピーターが本当に欲しいのは、仮面のリンダではなくて、本ものの自分なのだと悟ったリンダは、舞台に上がり、ピーターの愛に応える。
ミュージカル・ナンバー (★はアステアのナンバー)
I've Got Beginner's Luck★
Slap that Bass★
Walking the Dog
Beginner's Luck★
They All Laughed★
Let's Call the Whole Thing Off★
They Can't Take That Away from Me★
Shall We Dance★
その他情報
- ジョージ&アイラ・ガーシュインは、「躍らん哉」の仕事は、6週間で55000ドルのギャラだった。
- 本作では、アステアの「ローラースケートタップ」が見られる。
- ローラースケートタップの最後は、アステアとジンジャーがスケート場をぐるぐる回って芝生の上にバタン!と倒れるが、これはアデール&フレッドの「ラン・アラウンド」(※ラン・アラウンドはこちらを参照⇒ラヴ・レター)の変形である。もっと本格的にラン・アラウンドを再現した「踊る騎士」よりも、ダンスとしてはずっと成功していると思う。
- バレエシーンの演出を、ジョージ・バランシンに依頼したが、スケジュール上の理由で断られた。
- レオニード・マシーン(バレエダンサー、振付師。映画ファン的には、「赤い靴」の靴屋役)にも演出を依頼したが、断られた。たしか、こちらもスケジュールの都合だったと思う。
- 「They Can't Take That Away from Me」は、アカデミー賞ノミネート曲となったが、受賞は逃した。意外にも、ガーシュイン兄弟唯一のノミネート曲である。
- ガーシュイン兄弟の「Shall We Dance」は、「王様と私」や日本映画の「シャル・ウィ・ダンス」で使われた「Shall We Dance」とは別の曲である。
スタッフ
製作……パンドロ・S・バーマン
監督……マーク・サンドリッチ
助監督……アーガイル・ネルソン
原作……リー・ローブ、ハロルド・バックマン
脚色……アラン・スコット、アーネスト・パガーノ
撮影……デイヴィッド・アベル、ジョゼフ・バイロック
特殊撮影……ヴァーノン・ウォーカー
美術……ヴァン・ネスト・ポルグラス
衣裳……アイリーン
音楽……ナサニエル・シルクレット
歌曲……ジョージ・ガーシュイン、アイラ・ガーシュイン
振り付け……ハーミズ・パン
録音係……ヒュー・マクダウェルJr