●1934.10.3 RKO
●日本公開1935(RKO配給)
キャスト
ガイ・ホールデン……フレッド・アステア
ミミ・グロソップ……ジンジャー・ロジャース
ホーテンス……アリス・ブラディー
エグバート・フィッジェラルド……エドワード・E・ホートン
トネッティ……エリック・ローズ
グロソップ氏……ウィリアム・オースティン
フランスのクラブのボーイ長……ポール・ポルカシ
シンガー……アート・ジャレット、リリアン・マイルズ
ダンサー……エレノア・ベイリー
メッセンジャー……チャーリー・ホール
ガイの召使……チャールズ・コールマン
(アステアのスタンドイン……ハリー・コーンブレス)
ストーリー
ダンサーのガイは、偶然知り合ったミミに一目ぼれ。名前さえ知らない彼女にもう一度会いたいと思い、毎日ロンドン中を探して歩く。
ミミは、実は既婚者だったが、愛の無い生活で、叔母と弁護士に相談し、離婚を申し入れようと計画中。ミミの弁護士とは、ガイの友人のエグバート。
ミミに、不貞の事実を作らせるため、エグバートは「離婚屋」(雇われジゴロみたいなもの。エリック・ローズが怪演。ミミと一晩同じ部屋で過ごし、亭主に見せつけ、「不貞でしょ、離婚すれば?」という方向に持っていくスペシャリスト。離婚屋の組合もあるらしい!)を頼んで、リゾート地のホテルにミミを呼び寄せる。
エグバートと共に、ガイもミミのいるホテルに行き、ミミを見つけ、避けられても避けられても呼び戻して一緒に踊り(踊るは「夜も昼も」)、二人の気持ちが近づく。
しかし、ガイが「エグバートの連れ」だと知ったミミは、ガイが雇われジゴロかと勘違いし、幻滅。本物の離婚屋トネッティ(ミミの部屋番を知らされず、迷っていたというオオボケぶり)が現れるまで、誤解し続けるが、真実を知ると、ガイに心を開く。
ガイは、ミミに夫がいることを聞かされるが、離婚を決意していることも聞き、夫と対決。最後にはミミを手に入れる。
ミュージカル・ナンバー
(★はアステアのナンバー)
Don't Let It Bother You★
A Needle In a Haystack★
Let's K-nock K-nees
Night and Day★
The Continental★
その他情報
- アステアの舞台「Gay Divorcee」を映画に作り直したもの。映画版のガイはダンサーだが、舞台版では作家
- 日本公開時のタイトルは「コンチネンタル」。原題「The Gay Divorcee」の直訳「陽気な離婚者」では不謹慎であろうという配慮から、メインナンバーのタイトルを邦題にした
- 本作より、RKOはダンスシーンの後に、観客が拍手するための間を入れるようになった
- フレッドは、自分の自伝に「この作より、一線級の扱いになった」と記している
- 本作では、アステア&ロジャース映画の常連、エドワード・E・ホートンも、エリック・ローズも、歌うシーンがある。ホートンは、ダンスまで披露してくれるし、ローズはソロで熱唱である
- 「A Needle In a Haystack」の場面は、アステアが踊りながら出かける支度をしている、という場面なのだが、アステアがネクタイを「ひゅん!」と投げる動作があり、あんな風にうまく投げられるものだろうかと思った私は、何度もネクタイを投げて試したものだが、到底あんなにうまくはいかない。あのネクタイには、何かが仕込んであって投げやすいんじゃないかと、私は30年ほども疑い続けている
- 本作には、有名な録音ミスがある。シーンは、アステアとジンジャーのカーチェイスの後。アステアがジンジャーに追いつき、お酒の入ったバスケットを開けて、「何か飲む?」とすすめるところ。ジンジャーが、「ベネディクティンの後に、何て言った?」というセリフの直後に、スタッフかだれかの「コホン」という咳が入っている。このシーン、林の中みたいな道で、アステアとジンジャーは二人きりなので、気がついてしまうと非常におかしい
- カーチェイスのシーンで、アステアの乗っている車の種類は何なのだろう? 車に詳しい方に教えていただけないだろうか
- ホーテンスおばさんの役は、最初はヘレン・ブロデリックに依頼されたが、断られてアリス・ブラディーになったらしい
- 1934年第七回アカデミー賞:主題歌賞受賞、作品賞ノミネート、作曲賞ノミネート、美術賞ノミネート、録音賞ノミネート
スタッフ
製作……パンドロ・S・パーマン
監督……マーク・サンドリッチ
原作……ドワイト・テイラー
脚色……ジョージ・メリオン・ジュニア、ドロシー・ヨースト、エドワード・カウフマン
台詞……ベン・ホルムズ
撮影……デイヴィッド・アベル
特殊撮影……ヴァーノン・ウォーカー
美術……ヴァン・ネスト・ポルグラス、キャロル・クラーク
音楽監督……マックス・スタイナー
歌曲……コール・ポーター、マック・ゴードン、ハリー・レヴェル、コン・コンラッド、ハーヴ・マディソン
振り付け……デイヴ・グールド、ハーミズ・パン
メイク……メル・バーンズ
サウンド編集……ジョージ・マーシュ
記録エディター……ヒュー・マクダウェルJr