●1945.10.19 MGM
●日本未公開
キャスト 役名…俳優名
ジョニー・ブラウン……フレッド・アステア
ヨランダ・アクアビバ……ルシル・ブレマー
ヴィクター……フランク・モーガン
アマリラ……ミルドレッド・ナトウィック
デュエンナ……メリー・ナッシュ
「キャンドル氏」……レオン・エイムズ
ウェイター……ジーノ・コラード
少佐……マイケル・ヴィサロフ
役人……トーベン・マイヤー
ストーリー
南米の架空の国、パトリアの物語である。
ヨランダは孤児で、修道院で暮らす娘。しかし、亡くなった両親が財産家で、18歳の誕生日をむかえたときに、莫大な財産を相続することになる。
修道院を出たヨランダは、叔母の元に引き取られ、とまどいながらも贅沢な暮らしが始まる。
そこへ、二人組みの詐欺師、ジョニーとヴィクターが、ヨランダの財産目当てに登場。
ジョニーは、ヨランダが信心深いのにつけこんで、
「自分が君の守護天使だ」
と言い、ヨランダを操ろうとする。ヨランダは、ジョニーを本物の天使と思い込み、まんまとお金を騙し取られてしまう。
お金を持って逃走したものの、ジョニーは、初対面のときから、ヨランダに恋心を覚えていた。同じくヨランダも、初対面でジョニーに好意を持ったが、ジョニーを人間じゃないと思っているので、実らない恋とあきらめていた。
逃走するジョニーとヴィクターの前に不思議な男が現れ、「ヨランダと結婚しろ」と迫る。その男こそ、ヨランダの本当の守護天使であった。
守護天使に導かれたジョニーとヨランダは結婚。天使は、幸せな未来の写真を二人に手渡す。
ミュージカル・ナンバー (★はアステアのナンバー)
This Is a Day for love
Angel
Dream Ballet★
Yolanda★
Coffee Time★
その他情報
- 本作は、興行的には失敗作である。MGMの損失は、約160万ドル
- 本作は、アステアファンの間でも、極端に評価が低い。ビデオも、DVDも長年発売されなかったので、一昔前までは、ファンでも未見の人が多かった(私も大好きとは言いかねる。めったに見返したくならないのは、そういうことだろう)
- 失敗の原因は、ファンタジー色の強すぎと、監督ミネリが、それにこだわりすぎたためらしい
- 「Dream Ballet」のミュージカルシーンは、アステアの夢の中の出来事なのだが、導入が全然夢っぽくない。たぶん、狙いがあってそうしているのだと思うが、私にはなんとなく不親切に思える(道端の男に腕が増えていくのを見て、やっと「夢か」と気づいたのである)
- 物語の舞台となっている架空の国「パトリア」は、「辺境の地」だそうだが、ちゃんと日本公使が駐在している
- 「Coffee Time」は、アステア自身が「非常に難しいダンスだ」とコメントしている
- ルシル・ブレマーの歌は、トゥルーディ・アーウィンの吹き替え
- 修道院の、ポンチョをかぶったようなシャワーシーンは何なのだろう
- とにかく、ルシル・ブレマーの豪華な美しさが印象に残る映画である
- アステアの演奏するハープは、ジャズ・ハープ奏者ボビー・マクスウェルの吹き替え
- アルパカや、鹿、鶴が出てくる本作は、アステア映画で一番多くのアニタレさんが出る映画かもしれない
スタッフ
製作……アーサー・フリード
監督……ヴィンセント・ミネリ
原案……ジャック・テリー、ルドウィク・ベーメルマンス
脚色……アーヴィング・ブレッチャー
撮影……チャールズ・ロッシャー
音楽……レニー・ヘイトン
歌曲……ハリー・ウォーレン、アーサー・フリード
振り付け……ユージン・ローリング
美術……セドリック・ギボンズ、ジャック・マーチン・スミス
美術セット……エドウィン・B・ウィリス
衣裳……アイリーン
カラーディレクター……ヘンリー・ジャッファ
録音……ダグラス・シアラー
※旧ブログ時代にこの記事にいただいたコメントはこちら 旧ブログで、もっとも多くのコメントを頂戴したのが、なぜかこの記事でした(なぜよりによってヨランダで……)