「ハリウッド・パレス」は、1964~1970年まで放送されたTVヴァラエティショー。出演者には、ビング・クロスビー、モーリス・シュバリエ、トニー・ベネット、ルイ・アームストロング、ミッキー・ルーニーなどの大物が招かれた。アステアのダンスパートナーをつとめた女性たちも、ジンジャー・ロジャース、ジュディ・ガーランド、アン・ミラー、ジェーン・パウエル、シド・チャリスなどのメンバーが出演している。要するに、「豪華バラエティー」である。
アステアの出演回(4回)
1965.2.10
- アステアはブラックタイ着用でホスト役
- オープニングは、ゴーゴー風「トップ・ハット」。ゴーゴーダンサーたちが踊り、アステアはその前でちょっと踊ってくれようとするのだが、「こんな踊りにはついていけないよ」という感じで、ノリノリのゴーゴーは披露してくれない(長年トップ・ハットを聞いてきた人間からすると、ゴーゴー風のアレンジはよくできているのだろうと思うのだが、やはりどうもしっくりしない)
- 紹介されるダンスの一つに、ルドルフ・ヌレエフとマーゴット・フォンテインの「黒鳥」がある。ヌレエフはアステア大好き人間なのに、ダンス終わりのホスト・アステアとの会話は無し。残念
- アステアのダンス披露は「The Cat」(演奏はジミー・スミス)一曲だけ
- アステアの歌は、「The Time Has Come」のみ。これは、歌唱を聞かせるというよりは、エンディングのお知らせをしているだけ(モダンカンカンの「ちょうど時間となりました~」に当たるもの)
- 最後はアステアのシルエットで番組終了
- 振り付け:ハーミズ・パン
1966.1.22
- オープニングは、アステアの歌う「Let's Call the Whole Thing Off"」と「They All Laughed」。ほんの少しだけ踊ってくれる(ちょっとステップ踏んでます、程度)
- バリーの「セントルイス・ブルース」(バリーがソロで魅せられる立派なダンサーであることがわかる。コートを脱ぎ棄ててからがバリーらしさ全開)
- ペトゥラ・クラークの歌「My Love」
- アステアとバリーのダンス「プッシーキャット」
1966.3.12
- オープニングはフレッドの歌。「Fascinatin' Rhythm」と「Lady Be Good」。(歌の合間に、ちょっとターンして見せてくれる程度には動いてくれるが、ダンスではない)
- エセル・マーマンがたっぷり歌ってくれる。アステアと二人でメドレーも歌ってくれる。エセルの声量にアステアが押されっぱなし、という演出(コミカルな演出だが、実際にエセルの声量にかなうわけがない)。エセルとフレッドが二人並んでいるだけでも素晴らしい
- マルセル・マルソーのパントマイム。バタフライの演目では、会場の観客が静まりかえる。演技終わりには、アステアとマルソーが握手を交わす(マルセル・マルソーはアステアのダンスなどはどう思っていたのだろうか)
- ジャック・ジョーンズの歌
- 最後はアステアのダンス。A-Stairable Ragを思わせる振り付け
- エンディングのアステアのシルエットがとてもきれい
1966.4.30
- オープニングはアステアの歌。「I'm Putting All My Eggs in One Basket」と「Steppin' Out with My Baby」
- バリーのソロダンスあり(彼女の脚は本当に魅力的だ)
- 最後の演目はアステアとバリーのダンス