中野ブラザーズ Nakano-Brothers

日本のコンビダンサー。
兄:啓介と、弟:章三による、実の兄弟で組んだダンスチーム。ダンサーになった動機は、「アステア映画を見て憧れたから」。つまり、アステア映画が生んだダンスチームである。

アステアを見てタップダンサーを目指した二人は、子役からタップで舞台に立ち、実の兄弟でコンビを組み、60年を超えるキャリアを持つという、アステアを彷彿とさせるダンサー人生を歩んでいる。

中野ブラザーズが、アステアに憧れてダンサーになったことは、アステア・ファンならば、聞かなくても彼らのダンスを見れば分かる。二人の得意とするスタイルは、「正装(もしくは準正装)のおじさんが、余裕綽々の笑顔で鋭いタップを繰り出す」タイプのもので(ほかの色んなスタイルも素晴らしいですけどね!)、中野ブラザーズは、もっともアステアの「粋」の輸入に成功した日本人ダンサーと言えるだろう。

子役からのたたき上げだけあり、アステアや、サミー・デイビス・jrや、ミッキー・ルーニーが持っているような、圧倒的な安定感を、中野ブラザーズも持っている。その技術は、実際にラスベガスで高く評価され、彼らはサミーとの共演も果たしている。
嬉しいことに、中野ブラザーズは、70歳を超える現在も現役である。すばらしい!

実は、私が「ヒトカケラの心配も、不快感も感じずに見られる日本人ダンサー」は、今までに中野ブラザーズしか存在しないのである。
初めて中野ブラザーズをTVで見たのは小学生のときで、なんとアステアの存在を知るより前のことであった。
何のTV番組であったかは、到底思い出せないが、ショー形式の音楽番組だったような気がする。(なんとなく、NHKじゃないかな、という気がする)中野ブラザーズが、女性のタップダンサーを挟んで踊ったのだが、この真ん中の女がヘタでヘタで、
「わきの男の人の方がうまいね」
とうちの母に言ったら、
「中野ブラザーズだもの。年季が入ってるよ」
と教えてくれたのだった。

ちなみに、私は、ダンスのうまいヘタを見破れる環境で育った人間ではまったくない。ひとえに中野ブラザーズが図抜けていたので、小学生にも看破できたのであろう。

このように、小学生にも一目瞭然なほどに優れている中野ブラザーズだが、アステアを見慣れた目で見ると、「安全地帯で踊っている。手堅すぎる」という印象を受けないでもない。
しかし、アステア・ファンは、「アステアレベルを標準とみなす」という、完全に誤った基準でほかのダンサーを見ているので、上の文は、断じて中野ブラザーズ批判ではない。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加