- 1981年公開 ユニバーサル
- 日本未公開
キャスト
- リッキー・ホーソン……フレッド・アステア
- (青年時代の)リッキー・ホーソン……ティム・チョート
- ジョン・ジャフリー……メルヴィン・ダグラス
- エドワード・チャールズ・ワンダリー……ダグラス・フェアバンクス・Jr
- シアーズ・ジェームズ……ジョン・ハウスマン
- ドン・ワンダリー……クレイグ・ワッソン
- エヴァ・ギャリ……アリス・クリーグ(二役)
- アルマ・モブリー……アリス・クリーグ(二役)
- エキストラ……サラトガ・スプリングスの皆さん
ストーリー
ニューイングランドの片田舎の町、ミルバーンの名士4人が集まる「チャウダー会」では、怪談語りの会が開かれている。そのメンバーたちは、繰り返し悪夢でうなされていた。
会のメンバー、ワンダリーの息子ドンは、職場でアルマと言う美女と親しくなる。彼女は謎めいていて、次第に邪悪な様子を見せ始め、ドンは彼女を振り切って別れる。
その後、転落死した兄の葬儀でミルバーンに帰ると、その直後に父も事故死する。
連続した家族の死を不審に思ったドンは、家にあった古い写真に、アルマによく似た女性が写っているのを発見し、チャウダー会のメンバーになにか心当たりがないかと尋ねるが、彼らは口を閉ざす。
しかし、メンバーがさらにもう一人亡くなり、ついにリッキーが昔の犯罪を告白する。
若かりし頃、チャウダー会の4人は、美しいエヴァ(アルマにそっくりの女性)にあこがれていたが、ある日ワンダリーは自分をあざけったエヴァに激高して殺してしまった(と思った)。
死体を隠そうと、仲間たちは4人力を合わせてエヴァを車ごと湖に落とすが、車の中で彼女は起き上がり、生きたまま水中に沈んでいくのを見た。つまり、4人は全員で殺人罪を犯してしまったのだ。そのまま罪は露見せず、今日にいたっている。
話を聞いたドンは、リッキーとともにかつてのエヴァの屋敷に行き、エヴァの亡霊と対決しようとする。ところが、ドンは階段から落ちて骨折してしまい、リッキーは車で助けを呼びに行くが、エヴァに操られた男が車に潜んでいて、殺されそうになる。
男に抵抗して車から脱出したリッキーは、警官とともに湖に向かい、沈めた車を引き揚げる。車の中には、美しいままのエヴァの姿があったが、リッキーの目の前で彼女の体は崩壊し、白骨となった。
屋敷で残されたドンは亡霊に襲われていたが、エヴァが引き上げられると同時に、怪異が収まる。
その他情報
- 原作は、ピーター・ストラウブ作「ゴースト・ストーリー」
- ビリングのトップはアステア
- フレッドは踊らないが、しぐさの粋・カッコよさは健在。電話を取るシーンやコートの着こなしなど、とてもカッコいい(おじいちゃんだけど)
- ナイフで人を刺すフレッドが見られるのは、本作だけ。もちろん正当防衛
- アステアは、撮影期間中にアデールを亡くしている
- 撮影期間中に、アステアはタブロイド新聞に不倫疑惑を書きたてられた
- 本作は、編集によって駄作となったというのが、アステアの意見である。ジョン・ハウスマンも全く同意見だそうである。つまり、撮影中に、俳優たちにはそれなりに手ごたえのある作品だったのである。現在では、この作は、可もなく不可もないようなホラー映画、という位置づけであると思うが、もっと良作になり得た可能性はかなり高いのだろう
- 個人的に、本作はどこにでもあるようなホラー作品であると思う。逆に言うと、「完全消去されるべき駄作映画」とは思っていない。こういうの良くあるじゃないの、適当に見る分にはまあいいんじゃないの?という感じである。ただ、そこにアステアやフェアバンクス・Jrがいるから違和感があるのである。明らかに、作品の格と出演者の格が見合っていない。もっと適当な俳優がやって、ほどよく消費される映画になるか、豪華俳優陣の演技とがっぷり四つに組むか、どっちかにしたら良かったのである(今から編集しなおして封切ったら? 少なくとも私が見に行く!)
スタッフ
- 監督……ジョン・アーヴィン
- 原作……ピーター・ストラウブ
- 脚本……ローレンス・D・コーエン
- 音楽……フィリップ・サルド
- タイトルデザイン……フィル・ノーマン
- 編集……トム・ロルフ