季刊映画宝庫 №11

1980年の新年号。ドラキュラ特集号であり、ほぼ全編ドラキュラ映画とドラキュラ情報である。定価1280円

談志とアステアの記事あり

P230 立川談志のコラム「思いつくまま、気の向くままに」の連載第一回に、アステアについての記事がある。
タイトルは、「アステアと銀座でバッタリ」。
数寄屋橋の阪急の前で、白いワンピースを着た少女を連れたガイジンの顔を見たらアステアだったという。周囲は、全然アステアの存在に気づいていなかった。連れていた少女は、娘のエヴァちゃんだろう。

談志氏は、「ヘイ、アステア?」と声をかけた。(すごい勇気だ)
アステアは「ヤア」と返事をした。談志氏は、手帳に鉛筆でサインしてもらった。

談志氏が描写するアステアは、

  • 赤銅色をした、丈夫そうな男。スクリーンで見るより、ずっと精悍でたくましかった
  • 薄いカメラを持っていた。当時の日本では見かけないようなカメラだった

アステアは、優雅に踊る姿の美しさから、細っこい優男だと思い込んでいる人が多い。(ファンにも多い!)
しかし、芝居している姿を、スクリーンでよく見ると、胸板なんか結構厚くて、多分喧嘩したら強いような男なのである。(紳士なので、喧嘩はしないけど)
談志氏の「アステア像」は、さすが手の触れる距離で見た人の言葉と言える。

立川談志のキャラから言うと、「映画スターのサインだ? けっ」みたいな人だと思うが、ミュージカルの神様の前では、心臓ドキドキの映画少年になってサインをねだったらしい。

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