Something’s Gotta Give

作詞・作曲 ジョニー・マーサー

「足ながおじさん」で、アステアとレスリー・キャロンが踊る曲である。
足ながおじさん=ペンドルトン(アステア)と、孤児ジュリー(キャロン)の愛が燃え上がるシーンの曲であり、美しいメロディが限りなくロマンチックである。この曲、見ている人間をリズムに引き込む力が強いようで、アステア好きが集まって「足ながおじさん上映会」をすると、

Something’s  Gotta  Give
Something’s  Gotta  Give
Something’s  Gotta  Give

のところで、観客の頭が、面白いように「右→右→右→左→左→左→右→右→右」と動く。
私は、アステアがキャロンを踊りながら抱きしめるところが大好きだ。(あのようなダンスは、アステアは有りそうでなかなか無いのである)マシンガン・タップのすごさだけでなく、あのようなダンスで深い情感を伝えてくるところが、アステアは凄い!

「足ながおじさん」は、シネスコサイズの作品である。私は、初めて見た「足ながおじさん」は、テレビで放送されたものを見たのだが(未だにスクリーンでは見てません)、横長のシネスコを、テレビの画面に合わせていたので、つまりは横をカットしていたので、シネスコのフル画面で見たのは後年のことである。
「横カット画面」と「フル画面」を見比べると、実は上に書いた「抱きしめる」シーンの直後に、面白い差が生まれるのである。

アステアに抱きしめられたキャロンは、「ハッ」とした表情をし(正しい乙女の反応です!)、アステアからついっと身を引いて、そのまま二人はシネスコ画面の右端と左端に分かれる。このように、端と端に分かれると、「横カット画面」では、二人とも画面に納めることはできなくなってしまう。
私の見たものはどう処理されていたかというと、画面にはアステアだけが残っていたのである。
ついっと去ったキャロンの後を、アステアの視線が追いかける。そして、アステアがふわっと笑うと、画面にキャロンが戻ってくるのである。私は、このビデオをかなりの回数で見てしまったため、作品本来の映像よりも、「キャロンが一回出て行く方が、映画的表現として優れているのではないか」と、今でもつい思ってしまう。

【おまけ】
「Something’s Gotta Give」の後に、キャロンに「おやすみ」を言ってから、ホテルの廊下でアステアのとる行動が非常にいい。見てない方は、一刻も早く見るべきだ。あれこそは、アステアの粋の極みである!

●アステアの歌う「Something’s Gotta Give」なら、私はこれが好きです

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