アステア・ナンバーは強し!

コンプリート・レコーディング第2集「夜も昼も」 (Fred Astaire Vol.2)

私は、ごくたまにジャズ・バーみたいなところに、人に連れていかれることがある。大体、年に1~2回か、多くても3回くらいなので、「ジャズ・バー通」みたいなものではない。
しかも、いつも人に連れられて行くだけなので、おのれの行きつけのジャズ・バーというものは無い。
そうやって、人に連れて行かれたジャズ・バーで、シンガーや、ピアニストに「リクエストがあれば……」と言われた場合、私は必ず
アーヴィング・バーリンの曲を何か一つ」
と言ってみることにしている。
何を隠そう、このオーダーで、アステア・ナンバー以外の歌でリクエストに応えられたためしは一度も無い。今までの経験によれば、Cheak to Cheakの演奏になることが一番多い。その次が、Change Partnersあたりだろうか。

とは言っても、年に1~2回程度しかそういうシチュエーションの無い人間の持っている経験データなので、「一般的に、バーリンの歌を所望するとアステア・ナンバーが聞けるのが常識」と主張するつもりは毛頭無い。クリスマスの時期であれば、「ホワイト・クリスマス」が聞ける可能性の方が高いし、シンガーが「オールウェイズ」が得意な人なら、迷わず「オールウェイズ」を歌ってくれることもあるだろう。

しかし、私は20年くらいもの年月というもの、この方法でリクエストして、一度もアステア・ナンバーを聞き損っていないのである。つまり、「無敵のアステア伝説」というものになっているのである。
いつか、「無敵伝説」も破れる日が来るだろう、一体、何の曲が伝説を破るのだろうかと思い、私はバカの一つ覚えのように、
「バーリンで一つ……」
と言ってみるのだが、これがなかなか破られない。
アステア・ナンバー恐るべし。伝説はいつまで続くのだろうか。

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