夜も昼も Night and Day

作曲・作詞ともにコール・ポーター

ミュージカル「The Gay Divoicee」の中の一曲。
「The Gay Divoicee」は、最初は1932年にブロードウェイで上演され、その後アステア&ロジャース主演で映画化された。

舞台時代に、この曲を初めて聞いたアステアは、「高すぎて歌えない」と文句を言った。しかし、ポーターは、「アステアの音域に合わせてつくったのだから、歌えるに決まってる」とがんばり、アステアはしぶしぶ歌わされることになった。(アステアの音域に合わせるため、ポーターは「曲主導」でこの作を書いた。ポーターは、通常「詞主導」で書くタイプであり、このような配慮は珍しいそうだ)しぶしぶ歌ったせいかどうか知らないが、この曲はなかなか観衆の評価を得られず、ショーの前半は苦戦したらしい。(後年の、押しも押されぬスタンダード曲ぶりしか知らない人間からすると、この曲が人気においてはスロースターターだったことが実に不思議だ)良い批評がまったくもらえなかったこの曲に、作者ポーターは自信を持っていたという。「Night and Day」の輝かしい未来を予見していたのは、最初は作者だけであったのだ。

映画「The Gay Divoicee」とは、邦題「コンチネンタル」
この映画の中で、「夜も昼も」は、アステアとジンジャーが初めて踊るロマンチックなナンバーである。
アステアを避け、立ち去ろうとするジンジャーを、アステアは、手を引いては引きとめ、また手を引いては引きとめ、ついに振り向かせて踊り始める。
ジンジャーの、生地をたっぷり使ったドレスが、踊りにつれて揺れる姿が美しい。
踊り終わったジンジャーは、あんなに避けていたアステアを、陶然と見つめる。(男って、こうやって自分のいいとこ見せなきゃダメよねえ!)
とにかく、あきらめないアステア。美しい「不退転の決意」のダンスが胸を揺さぶる。
「夜も昼も」のダンスは、アステアファンの中でも、特に人気の高いダンスの一つ。
ただし、このシーンだけを何回も繰り返し見ていると、喫茶店などで、この曲がかかったときに、曲が終わった後に「Cigarette?」と言ってしまう人になるので、要注意である。

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