キネマ旬報 昭和11年6月号

●「旬報グラフィック」のページに、「艦隊を追って」のスチールが掲載されている。
場面は、ベイク(アステア)とシェリー(ジンジャー・ロジャース)の二人が、シェリーの姉コニー(ハリエット・ヒリアード)を資金援助するためのレビューの練習をしている風景。
ジンジャーの衣裳は、よく見ると襟(折り返しになっている丸首襟)のところに、国旗をデザインしたらしいぴらぴらが付いている。うちの小さなTVで見るときには、まったく気が付かなかった。スクリーンで見れば分かるのだろうか?
アステア映画には、このように、よく見ると細かさに驚くような衣裳デザインがたくさんある。(例:「有頂天時代」のボー・ジャングルのときのアステアのジャケットとか)

●折込告知で「艦隊を追って」が紹介されている。
記事ページよりも、厚い紙で、折りたたみの告知広告が入っている。
この頃(昭和11年)は、まだ右から左に向かって文字が書かれている。
真ん中には、踊るアステアとジンジャーが(Let Yourself Goのダンスシーン)、左には、マドロススタイルのジンジャーの笑顔が、右上には、水兵姿のアステアの写真が配置されている。背景には「艦隊に来賓があり、甲板にセイラーたちが整列してむかえている」場面のスチールが使われている。
アステアの水兵姿は、限りなく粋である。(逆に言うと水兵っぽくはない)
「人気絶頂名チームの放つ第二巨弾」との惹句が入っているが、日本では、この作品がアステア&ロジャースものとしては二番目に入ってきたのだろうか?(そんなわけは無いと思うが……)
主題歌は、コロムビア・ラッキー・レコードと書いてあるのは、封切りと同時にレコード発売もしたという意味だろうか?
曲のタイトルは、すべて邦訳題がついている。
邦題「歌に合わせて踊らうよ」というのは、もしかして「Let’s Face the Music and Dance」のことか? いや、その邦題はちょっと……。

●外国映画紹介の記事のトップに、「艦隊を追って」が掲載されている。
出演の役者紹介、ストーリーの紹介が載っているのだが、最終的にジャンジャーとフレッドがどうなるのか、完全に話のオチを割ってしまっている。この時代は、これでOKなのか? まあ、それでもアステア&ロジャースのダンスを見たい人は、絶対に劇場にいくのだから、オチをばらしても、痛くもかゆくも無いといったところか。
使われているスチールは、パーティー会場で、自分のオーデションを妨害した犯人がベイク(アステア)だと知ったシェリー(ジンジャー・ロジャース)が、ベイクをギッとにらみつけている場面。

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