アステアの立て看板

※この記事は、かなり遠い記憶の彼方のことを書いていますので、間違いがあるかもしれませんが、あしからずご了承ください。

もう何年前か忘れたが、南青山の、表参道から1本奥に入ったあたりにある道に、「シネ・シティ」とやらいう映画関係のお店があった。(シネ・シティだったと思う。「CINE CITY」って書いたと思うのだが……)
このお店は、映画関係の書籍・ビデオ(DVD時代の前だった)・サントラ・グッズなどを扱っていて、私はたまにのぞきに行き、サントラなどは結構買った覚えがある。
そして、このお店には、いくつか、映画スターの立て看板があったのである。その中に、我らがアステアの看板も含まれていた。
私の記憶によれば、「ビギン・ザ・ビギン」を踊るアステアだったはずである。(エレノア無しで、アステアだけだった)立て看板群は、店の外の道から見えるように、窓を向いて立てられていたので、店に入ろうとすると、軽やかに踊るアステアと対面することになるのだった。

私はこの看板を見て、「アイドルの看板を盗むひと」の気持ちが初めて分かった。(それまでは、「看板持って帰ってどうするんだ?」と思っていた)あれは、欲しくなるのだ。家に持って帰っても、邪魔だしどうにもできないのだが、なんだか欲しいものなのだ。

私は、アステアの看板を横目で見つつ「これ、いいな~」と思いながら、店に何度も行った。確か、後でもう一枚「アステア看板」は増えた記憶があるのだが、何のシーンのアステアだったか思い出せない。
もしも、私に勇気があったら、「あのう、この看板を譲っていただけませんか」と、聞いてみたかもしれないが、私にそんなことはできなかった。(実際に、家にあれがあっても困るし)
アステア看板は、ずいぶん長く飾ってあったと記憶するが、そのうち店の方向性が、私の好みと合わなくなったので(韓国映画に力を入れ始めたのだ)、いつしか足が遠のいてしまった。アステア看板は、どうなったのかなど、もちろん分かるはずもない。

私は、グッズ・宣材関係にはそんなに熱心ではない方なので、一瞬でも「欲しい!」と思った看板のことが、今でも忘れがたい。
それに、あの店の立て看板は、何体あったか忘れたが、どう考えても10枚は無かったはずだ。その中の2枚をアステアが占めていたということは、店のオーナーだか、スタッフに、「超アステア星人」がいたんじゃないかと思うのだ。惜しい店であった。

今、書いてて思い出したが、「ジンジャー・ロジャース自伝」は、あの店で買ったような気がする。ということは、少なくとも1994年までは存在していた店である。

いや、「ジンジャー・ロジャース自伝」を買ったのは別の本屋で、あの店では「アステア引き」しただけだったかな?

【注】アステア引きとは……映画関係の書籍で、巻末に索引がある場合、「アステア」のページだけをチェックしてピンポイントで読むこと。アステアのページ数は、多ければ多いほど良いものとされる。

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